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現在の看護師の労働環境

現在では、看護師の人員不足による数々の問題が懸念されている。看護師不足による影響は、一人ひとりの仕事に対する責任が重くなったり、集中力の持続が困難なったりと様々だ。結果、看護師の質が低下してしまい、医療ミスや事故の危険が高まるなどのリスクも生じる。このように、労働環境が悪くなると、勤務時間の長時間化などによって身体や精神的に負担がかかり、退職する人が増えてさらに労働環境が悪くなる悪循環が生まれてしまう。

職場の看護師が少なくなると、患者のたらいまわしが起きる可能性も高い。これは、看護師が不足して緊急時の対応ができなくなることで、救急で運ばれてきた患者を受け入れられず、他の医療機関へ搬送することを指す。しかし、次の搬送先でも同じように看護師が不足していた場合には、また別の医療機関へ搬送する必要があり、必要な処置を行うまでの時間がかかり過ぎてしまう。看護師が不足してしまうと、院内だけでなく、患者に適切な処置を早急に行えないという深刻な問題につながるのだ。しかし、この看護師不足を解消させるべく国が行っている対策として、再就職支援プログラムがある。医療現場から長期間離れていたことでブランクが生まれ、現場復帰を行うことが不安な潜在看護師を対象としたものだ。長期間のブランクの中で忘れてしまった医療や看護の知識、離職期間の内に導入された新しい医療技術を学ぶことで、再就職の不安を解消することが目的とされている。こうして、再び看護師として働き続けることができるようになるのだ。

以前は過酷だった労働環境

看護師の仕事はきつい、汚い、危険の3Kだといわれていた時代がある。もちろん、今でもその3つの因子がなくなったわけではない。しかし、それをカバーするべく、労働環境を整えようと努力している医療機関が増加傾向にあるため、3つの因子が改善されてきたといえる部分も出てきた。

たとえば、1つ目のきついといわれる理由は、看護師不足が1つの原因だ。看護師の人材不足は慢性的な問題であり、現在でも離職率が高く、看護師の定着が悪いこともある。しかし、看護人員の配置を増加させようと努力していたり、看護師の専門性を重視し、看護業務だけに集中できるよう仕事を細分化したりしている医療機関も少なくない。そのため、休みもなく仕事ばかりできついという環境は減少傾向にある。また、血液や排せつ物を扱うため、汚い仕事という印象も多い。だが、現在は感染対策に力を入れている医療機関がほとんどで、手指衛生やマスク、手袋などを着用することにより、かなり労働環境が改善されたといえるだろう。そして、注射器を扱うため危険といわれるが、注射器は院内感染対策の中でも最重要項目として扱われる。どの医療機関でも注意していることから、以前よりも仕事上の危険度は低下していると考えられるだろう。看護師の労働環境はまだまだ改善するべき点はたくさんあるが、どの医療機関でも労働環境の改善に向けて努力しているため、以前に比べて働きやすい環境が整っているといえる。